横浜駅からほど近い住宅街に位置する、築30年近い大手分譲メーカーの住宅の改修である。

コストをかけずに行う改修の場合には、理想の空間を実現するための優先順位をつけて、やるべきことと必ずしもやらなくてもよいことの取捨選択を正しく行えるバランス感覚が必要になると考えている。

 

１階のＬＤＫと隣接する客間を一体的にしたワンルーム空間を作りたかったが、木造ならではの内部耐力壁の存在があるために壁をすべて取り払うことはローコストの工事では難しかったため、残さざるを得ない耐力壁をワンルーム空間のアクセントとなるようにデザイン要素に取り込むことを考えた。

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既存の間取りや設備は極力残して再利用しながら、しかし理想の空間は常に頭に描きながらの改修工事は思いがけない発見もあり、自身にとってよい経験となった。